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【レビュー】「ヨイコノミライ」を読んだ。メンヘラ、嫉妬、ストーカー、サークルクラッシャーと負の感情が渦巻く問題作だった

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前々から気になっていたのでKindleで購入。

「メイド諸君!」の作者、きづきあきらさんの作品です。全4巻なのでサクサクと読めますが内容はかなり痛々しいものとなっています。

登場人物は基本的に何らかの形でクズで最後まで胸糞悪いですが、面白いか面白くないかと言えば面白い…これ「メイド諸君!」のときにも書いてた気がしますがそんな感じです。

【レビュー】「メイド諸君!」を読んだ。メイドさんの恋愛模様と「恋愛観」について少し…
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内容としては高校の漫画研究会に入部したメインヒロインの青木杏(表紙の娘)によって内部崩壊していく中で様々な負の感情が入り乱れるものとなっています。

彼女は男女構わずに部員を誘惑していくので「オタサーの姫」や「サークルクラッシャー」という役どころで最終的に漫画研究会はバッチリ崩壊します。やったね。

結末までの流れをこのまま書いてしまうとかなりのボリュームになってしまうので、登場人物ごとに簡単な紹介、結末を書いてみますね。

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人物紹介とそれぞれの結末

井之上 広海

主人公で漫研の部長、漫画は描けないので編集長を担当。漫画編集になることを夢見て部で同人誌制作を企画するが力は伴っていない

人間関係では杏に想いを寄せるが振られてしまい、直後に告白してきたかの子と付き合い始める。その後、杏とも付き合うことになり2股を掛けることになる。

色々あり、最終的に杏の信頼を得て友達から関係を始める爽やかなエンディング。

青木 杏

メインヒロイン。

美人で可愛く清楚で表面上は性格もいい最強のサークルクラッシャー。

漫画はかなりのレベルで描けるだけではなく、父の言いなりで新人賞を荒らして賞金を稼ぎまくる実力者。

編集者である父と似た考えを持つ、それでいて考えの甘い広海を見て漫研の崩壊を企み達成する。

だが、その過程で広海の事が気になり始め、一度は振った彼とのあやふやな関係を続ける。

漫研崩壊後、互いに理解を深めた二人は友達として新たな関係を始める。

平松かの子

ヒロインその2で最悪のバッドエンドを迎える。

黒髪メガネで委員長っぽい見た目、地味だけど黙っていればまあまあ可愛い女の子。

漫画は絵がどうしようもなく下手で微妙な設定ばかりを書いている無能なのに部員で旧知の仲の萌絵を見下している救いようのないクズ。

広海の彼女となるが、もともと相手の妥協から始まったので最終的に振られる。

そしてそんな事をしている間に努力を重ねた萌絵はメキメキと力をつけた結果、見下していた相手に追い抜かれたことを受け入れられず、嫉妬して自分から関係を絶ってしまう。

最終的には自分の殻に閉じこもり、漫研崩壊後の誰もいない部室で妄想の中の「ミロフェル王子」と楽しそうに可愛するシーンがラストとなり今作の幕が閉じられる。

天原 強

容姿、性格が悪く、批評という名の相手を見下すだけの物言いが得意なだけでなく、何も出来ない無能なのに利己的な自信家。友人もいない。

男の登場人物の中ではどうしようもないくらいにクズで救いようがないキングオブクズ。

某巨大掲示板でコテハンを名乗ってアク禁を食らう。

杏に利用され、その無能な手腕を振るった結果、更なる内部崩壊を促進させることに貢献した。

最終的には杏に全てを否定されてお終い。

有栖川萌絵

どうあっても既製品の服が入らないレベルのデブで容姿も悪い自作のゴスロリ服を身にまとう残念な女の子。

周囲からデブであることをバカにされていることを理解しているので性格も口も悪い。

ただ、漫研崩壊の最中に努力を続けた結果、飛躍的に絵が上達して更なる上を目指すべく歩き始める。

かの子との絶縁もあるが、最終的には彼女が一番報われるエンディングを迎えることになる。

元々は萌絵を貶めるために杏が弟の和馬を近づかせたが、最終的には仲良くやっている。

努力で前に進める力があるから痩せたら人生は確実に変る、今作で一番可能性を感じさせる人物。

大門夕子

声優を志すアニメ声の自分が一番可愛いと思っているクラスで浮いた存在の女の子。

アホ毛を毎朝ハードワックスで固めて演出するという徹底ぶりがガチで痛々しい…

「オタサーの姫」的な見た目で性格も悪いが、比較的まともな人間性。

友達は詩織くらいだが、杏の策略により片想いの瞬をその詩織に寝取られる形になり絶縁。

部員の中では一番最初に漫研を見限って去ってしまう。

彼女がその後成功するかは分からないが、漫研にいるよりはいい結果が出せるんじゃないかと。

桂坂詩織

メンヘラリストカットで意味不明なひとりよがりグロ漫画を描く救いようの無さでヤバさに関してはかの子と並んで最強クラス。

美人でクールだが男嫌いで夕子に依存している。

依存相手の夕子が片思いの瞬に対して積極的に動くのが耐えられず、再び自分の方に振り向かせるために杏の策略により瞬と肉体関係を持つ。

結果として夕子とは絶縁、その後は本気で自殺を図り死にかけるが瞬の手により助かる。

最終的には瞬の本当の思いを受けて恋人となり終幕。

衣笠 瞬

兄の一輝と同人誌を作りそれなりに人気のあるサークルを運営、見た目はチャラいがイケメンと登場人物の中ではかなりの力を持つ。忙しいので基本的には部にほとんど参加しない。

性格も良くないが、人気サークル運営の経験上、広海に厳しいながらも的確なダメ出しをするシーンもあり、漫研の無能さとは縁のない外部の人という感じ。

女性を見下しているフシもあるが最終的には詩織と結ばれて終幕。

衣笠 一輝

優しいイケメン。漫研にはほとんど参加しないため蚊帳の外

内田 直

ただのオタク、夕子に嫌がらせとしてストーカー行為をするが特に話の根幹に関わらず。

短くまとめたつもりが結構長くなってしまいました…

ただの偏屈オタクたちのたまり場でした

この作品の一番すごい所は「ただ高校生が部活で同人誌を作ろうとしただけ」という点です。

原因としてはこの漫研が漫画を作るための部として機能しておらず「普通の学生として溶け込めなかった偏屈なオタク達のたまり場」と化していたからだと思います。

「駆け込み寺」という表現の方が的確でしょうか。まあ、似たようなものですね。

オタクな話は好きだから会話はあっても誰もきちんとした作品を作る努力をしていないので、当たり前ですがまともなものを作れる訳が無いんです。

杏が部の崩壊速度を速めたのは事実ですが、別に彼女の暗躍がなくても最後には部の崩壊という終わりが訪れただろうと思います。

結局は萌絵以外は最後まで制作面での努力は見られませんでしたし…

多人数で「ものを作る」というのは上手く行けば、個人の負担が減り、制作の速度とクオリティが飛躍的に上がるのですが、それはリーダーの指揮能力とそれぞれの担当をこなす最低限の力量、コミュニケーション能力があってこそ成り立ちます。

そう考えると上記の全てが伴わない漫研の面子で共作なんて…ね?

最近「コーライティング(共同制作)」と言う言葉をよく聞くのでちょっと書いてみようかと思う。
クレオフーガのトップページで「コーライティング」と言う言葉をよく見かけるので、今回はその辺について少し書いてみようかなと。自分に対す...

前に進んだ人と殻に閉じこもり続ける人

漫研崩壊の過程や結果によって自身の問題点に気付いて、それを乗り越えた部員はこれからの明るい、新しい未来があるエンディングを迎えます。

広海は杏の信頼を得て友達としての関係を始めることとなり、杏は家庭のしがらみから開放されたのか、エピローグの段階では賞金のための漫画を描いていないようで、弟の和馬のセリフから二人は更に関係を進めたのかもしれません。

萌絵は本格的に絵の腕を磨くべく更なる努力を続けているようで、和馬とも良い関係を築けているようです。良い方向に進むことによって絵以外の部分にも良い影響が出ているようです。

瞬もすっかり毒が抜けたようで、恋人となった詩織との電話での会話は優しい雰囲気です。

夕子に関しても詩織との決別はあったものの、本気で声優を目指すために漫研という負を生み出す場所から離れた事は良いきっかけになったのではないかと思います。

と、ここまでは前向きな方向へ軌道修正できた皆さんについて書きましたが、漫研崩壊後にますます自己防衛のために殻に閉じこもった部員もいます。

最悪のバッドエンドを迎えたかの子です。

萌絵との関係を修復する最後の機会もふいにしてしまい、もう何も信じられなくなった彼女は自分の殻に閉じこもり、誰もいなくなった教室で妄想と会話するメンヘラバッドエンドです。

完全な自業自得なので特にかわいそうという感情も湧かないのですが、この辺の投げっぱなしっぷりが残酷でありながら、とても人間臭い感じがして、ハッピーエンド至上主義の私の心にも響くものがあって納得できる終幕でした。

終わりに

色々と痛々しい内容でしたが、私には漫研のみんなの気持ちが少しですが理解できます。

私がバンド活動をやめて一人で音楽を作ることを選んだ理由の大きな原因がこの作品と重なる重なるからです。

曲が作りたいくせにそれが出来ないからメンバーに頼って、でもダメ出しだけはきっちりやるなんて今でも思い出すだけで自己嫌悪になります。

そういった自分の甘さを捨てるべく一人で音楽を作る道を選んでひとまずは最低限の曲として体を成すものが作れるようにはなれたのかと思います。

自分より良い作品を作れる人への嫉妬や自分が出来ないことを他力本願にしてしまう無力さに関しては音楽を始めた頃から常につきまとってくる負の感情です。

今でもその感情が完全に消えることはありませんが、私の場合はどうにかそれが解消されるくらいの力をつけたいと思えるようにはなりました。

今後も内省のために時々読み返して自身を律していきたいと思います。

あと、色々と悪い子だった杏ですが、個人的には良き理解者も傍にいることですし、書きたい漫画を描いて幸せになって欲しいです。

可愛いって本当に最強の武器ですよね。

かの子は…まあ、もう手遅れなので仕方ないね。

という事で長々とお付き合い頂きましてありがとうございました。



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